チャイナタウンの果実店のおじさんに笑顔で手渡されたsoursop(サワーサップ)を食べてみた。【サワーサップ食レポ&豆知識】
見たことがあるし、それが何かも知っているけど、試したことのないもの、というのが人生には多い気がする。例えば、タイの涅槃仏を見に行った時もそうだったし、台湾の臭豆腐もそうだった。見たことがあるものは知った気になりやすいが、実際に目で見て、手で触れて、体験すると全く違うものだったりする。
そんな、「見たことあるけど知らないもの」の一つがサワーサップだ。そこそこ長いこと海外に住んでいて、この時期になるとファーマーズマーケットやチャイナタウンの果物屋さんで毎年見かけるのに、買ったことがなかった。
濃いめの緑にチクチクトゲトゲのボディが面白い。いつも行くチャイナタウンの果実店で、「サワーサップねえ...」と思いながら何気なくトゲトゲを撫でていたら、おじさんが「これが食べ頃だよ。すごく甘いよ。」とニカっと笑って手渡してくれた。
この果実店の店主、最初は笑顔もなく少し気難しいお父さん、という雰囲気のある人だなあ、と思っていたのだが、通ううちに顔を覚えてくれて、今では私を見かけるとニカっとして、旬の果物の食べ頃のものをこちらから聞かなくても教えてくれる。そんなのが嬉しくて、手渡されたサワーサップを買って、大事に持って帰ってきた。ちなみに、これは約600gで3.84ドルだった。
食べ方は簡単で、半分に切り、真ん中の芯をよけてスプーンですくって食べるらしい。熟していないものは硬くて濃い緑だが、食べ頃のものは柔らかくて緑が少し薄くなっている。半分に切ると、中身は白く、少しトロッとしている。
私はてっきりパパイヤとかキウイのような感じのものを想像していたから、簡単にスプーンですくえるのだと思っていたのだが、実際はタネが一つ一つサヤのようなものに入っている上にそれがなかなか芯の部分から離れてくれなくて、グリグリとスプーンで切り離しながらすくっていく。
白い果実に、真っ黒なタネである。
これが芯の部分から離した種とそのサヤのようなもの(果実部分)だ。
食感はというと、柔らかいけど、少しシャキシャキする、といった感じである。こんな例えをしても分かりにくいだけかもしれないが、乾燥りんごチップのお菓子を口の中にいれてふやかしたときの、ふにゃふにゃシャリシャリ、にみずみずしさを足した、といったところだ。
味はというと、例えがなかなか浮かばない。今までに食べたことのない味だ。(強いていうなら、これまた分かりにくいだけなのだが、フェイジョア、という果物に似ている。フェイジョアもこれまた馴染みのない果物だから、全くいい例えにならないなあ。)
甘くて、酸っぱい。「soursop taste」で検索すると「イチゴとパイナップルの中間に、柑橘系の爽やかさを足したような感じ」と表現されている。言われるとそんな気もするし、違う気もする。私だったらこれに、「梨のような爽やかなみずみずしさと、味の薄いドリアンのようなクリーミーさ」と足したいところだ。
【サワーサップの豆知識】
美味しく食べたものの、サワーサップについてあまりにも無知だったため、食べてからいろいろ調べてみたところ、どうやらものすごく体に良いらしい。
サワーサップは、またの名をgraviola(グラビオヤ), guabanana(グアバナナ), あるいはBrazilian paw paw (ブラジリアンパウパウ)というらしい。ブラジリアンパウパウとはなかなか可愛らしい響きだ。
以下の記事を参考にすると、栄養素としては、ビタミンCとB、抗酸化作用に秀でており、種をパウダー状に加工したものや、葉を煎じて薬として飲むこともできるそう。
(サワーサップの効能をまとめたサイト↓)
記事に書いてある主なサワーサップの効能をまとめると、
- 寄生虫の駆除
- 抗炎症作用
- 呼吸器官系の問題の改善(鼻づまり、せき、イガイガを抑えるなど)
- 不眠症改善
- スキンケア(パウダー状に加工した種が使われるらしい)
- 癌予防
- 免疫力の向上
- 胃腸の健康の向上
- 痛み止め
などなど...昨日のペパーミントオイルといい、今日のサワーサップといい、自然に生るものが秘めているパワーってすごい。
(「昨日のペパーミントオイル」、とはこのことです。↓良かったらチェックしてみてね!)
mitsuamimalasada.hatenablog.com
サワーサップ、もっと早く食べておけばよかった。効能うんぬんより、とにかく美味しい。爽やかで、夏にもってこいだ。ローカル商店のスムージー屋さんでよく、サワーサップのスムージーも見かけてはいたのだが、「サワーサップねえ...」と横目に見ては、その隣の無難に美味しいマンゴースムージーを頼んだりすることが多かった。
次はサワーサップスムージーだな。暑い日に、買おう。